Pythonのプロジェクトを作成する際に、__init__.pyファイルを見たことがあるかもしれません。しかし、そのファイルが具体的に何をしているのか、なぜ必要なのかを理解している人は少ないかもしれません。この記事では、Pythonの__init__.pyファイルについて解説します。
__init__.pyファイルとは何か?
Pythonのパッケージ(モジュールの集合)内にある__init__.pyファイルは、そのディレクトリがPythonパッケージであることを示すために存在します。このファイルは、Pythonインタープリタによってパッケージがインポートされたときに最初に実行されるコードを含めることができます。
あるディレクトリを、パッケージが入ったディレクトリとしてPythonに扱わせるには、ファイル
6. Modules — Python 3.12.2 documentation__init__.py
が必要です。このファイルを置かなければならないのは、よくある名前のディレクトリにより、モジュール検索パスの後の方で見つかる正しいモジュールが意図せず隠蔽されてしまうのを防ぐためです。最も簡単なケースではただの空ファイルで構いませんが、パッケージのための初期化コードを実行したり、後述の変数を設定してもかまいません。
まとめると
- フォルダに入ったpythonファイル群に対して『これはパッケージですよ』と認識させる
- インポートする時の初期化を行う
なぜ__init__.pyが必要なのか?
- パッケージの初期化: __init__.pyファイルは、パッケージが正しく初期化されるようにするために使用されます。パッケージ内のモジュールやリソースの初期化を行うための場所です。
- モジュールのインポート: パッケージがインポートされると、__init__.pyファイルが最初に読み込まれます。このファイルには、パッケージ内の他のモジュールをインポートするためのコードを含めることができます。
- 名前空間の設定: __init__.pyファイルは、パッケージ内で名前空間を定義するために使用されます。これにより、パッケージ内の異なるモジュールが他のモジュールと競合することなく使用されることが保証されます。
__init__.pyの例
__init__.py
の一番のメリットは異なるディレクトリのファイルをインポートする時です。例えば、次のようなディレクトリ構造があるとします.
.
|── test
| |── __init__.py
| |── import_test.py
ファイルの中身:
# import_test.py
print'import_test.py is imported !'
def print_name():
print __name__
続いてimport_test
モジュールをインポートするとしっかりファイルが読み込めます。
import test.import_test
->import_test.py is imported !
Tips:驚愕の事実
仕事の都合上Pythonの2系をずっと使っていたので少し前まで知りませんでしたが、Python3系の3.3から不要になったそうです。www.python.org
(2024年2月27日追記)不要にはなっていませんでした。特殊なパッケージにおいて不要になるよということでした。
まとめ
__init__.pyファイルは、Pythonのパッケージにおいて重要な役割を果たします。パッケージの初期化や名前空間の設定など、さまざまな目的に使用されます。正しく使用することで、Pythonのプロジェクトをより整理された形で管理することができます。
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